迷い道~神隠し未遂

みんなの心霊事件簿

これは私の娘であるさくらには馴染の神社があります。
彼女は八百万の神々ではなく、国つ神の系譜の魂を持っているようす。
そんな彼女が馴染の神社から帰ってこようとした時のお話です。

馴染の神社は龍の祟り神を祀る神社で、地図にも載っていないそんな神社だそうです。
それは山の中にあるけれど、近くにはすぐ道路もあって迷うような要素は一つもなくて。
下界と神社を隔てるのは小さな森で、この森の中にひっそりとその神社は存在しているそうです。

とても強い祟り神ながら強い根宜さんにより、落ち着いているとのこと。

さくらは龍と非常に相性がいいのです。
彼女の特技は
「川が近くにあると気配でわかる」
というもの。水の気配を察知することができるようです。
そして神をなだめる才能があるらしく、たまに神社を手伝っているそうです。
そんな彼女が神社の帰りに巻き込まれた不思議な現象の話をしてくれました。

その日神社から帰ろうと、アスファルトの道を歩いていました。
時刻は朝7時ほど。神社の朝は早いのです。
家から行きは歩いてきたので、さすがに電車に乗ろうと駅まで歩き始めると・・・。

いつも通る道で絶対に迷うはずなんてないのに。

なのに、周囲が急にうっそうとした森に。
歩いても歩いても、いつもの道が見えない。
笑い話に田舎と呼ばれるとはいえ、ここは東京市部。
30秒あるけば、絶対に人家がある場所です。
なのに、全く家さえ見当たらなかったそうです。
ただ森がうっそうと続くだけ。
「・・・このままだったら神隠しに会う」
ととっさに思ったさくら。
足早に森の中を歩き始めたそうです。
「祟り神様」
と呼びかけながら。
なんとかそのありえないはずの森を抜けて、ため息をつき後ろを振り返ると。
いつも通る道が伸びているばかり。

あの森は存在するはずのない道が神社に向かって伸びていたそうです。
民家もいつものように存在していたいつもの道だったと。

あの森は何だったのか。
朝の明るい時間に自分はどこに迷い込みそうになったのか。
ただ
「あのまま森にいたら永遠に出られなくなっていた」
という感覚だけは強く恐怖とともに刻み付けられたそうです。
その後、何度同じ道を通ってもその森にたどり着くことは無くなったということです。

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