夜の田んぼに伸びた幻の道

立花月夜の心霊事件簿

これは私がまだとても若かった頃です。
高知の田舎で育った私は、ドライブにいろいろな道を使っていました。

とある田舎道を夜中に走行していました。
この時の車は、某峠で大きな手につかまれたのと同じ車です。

真っ暗な中で両脇が田んぼの真っ暗な道を走っていました。
アスファルトで舗装はされている農道で、昼間なら車がよく通っているのですが夜は全く車はいません。

ヘッドライトの光だけで走行していた私の目の前には分かれ道が現れました。
左と右。
田んぼ。アスファルトの道。
これが私の見えるすべてでした。
私は右にハンドルを切りました。

と。空を車が飛ぶような感覚。
「え?え?」
パニックになった私に次に襲い掛かったのは、ものすごい衝撃でした。

道だと思っていたところは真っ暗な明かりもない田んぼで、私の車は宙を飛び数メートル下の田んぼに落ちました。
季節は夏の初めころ。
ヘッドライトには育ち始めた稲の青々と茂っています。

下はまだ柔らかな泥でショックは少なかったのですが呆然。
今でも思い出せるこの時の見えた道はまっすぐに闇に向かって伸びているのです。
白っぽい道が黒い闇の中に「書かれたように」伸びているんです。ずーーーーっと向こうまで。水平線の向こうまで。
おかしいんですよね。その道は水平線の向こうなんて存在しないんです。周囲は山だったり丘だったりするし。人家もあるし。
でも何度思い出しても
「黒い紙に書いたような白い道」
が続いているのが見えたんです。私はその道に車を走らせていたのに、田んぼに飛び込んでしまった。

誰も信じてくれなくて、
「ハンドルを切り損ねた事故」
として処理されてしまいました。
夜中の午前2時過ぎだったのですが・・・。後で調べてみると午前2時~2時30分は 丑三つ時 と言われる時間帯だったんですよね。
丑三つ時と言うのは、丑三つ時は昔から幽霊が出る不吉な時間と言われているそうです。
丑の刻まいりという有名な呪いのことも、オカルト好きの方ならご存知かもしれません。

私が車で進もうとした道は、もしかしたら丑三つ時に現れた 霊道 だったのかもしれません。
普通なら闇に溶けるはずの道が、闇の中に真っ白にまっすぐに浮き上がっているというのも不思議な話です。

あなたも丑三つ時にドライブをするようなことがあったら気を付けてください。
その道は幻で、崖に続いている道かもしれませんよ。
私の場合は田んぼでしたが・・・。

その年の秋。私の車が落ちた部分だけ綺麗に四角く稲がありませんでした・・・。
農家さんごめんなさい・・・。

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